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す。日常生活に必要な最低限度の言葉の数は四百から五百以下の人が多数を占めているようです。
息子は、私が手話を習い始めたときから、話かけてくれることが大変多くなり、また、発音もしっかりしてきたように思われます。ろう学校の先生からは手話を使うことにたいして、よくは思われていませんでした。しかし社会に出て行くためには、現在、手話は聴覚障害者にとって欠くことのできないものとなっています。しかし、親、家族の手話に対する理解がいかに少ないかが、聴覚障害者の壁になっているものと思います。
学校では口話教育が建前で、最近では、手話を交えながらの授業が行われているように聞いております。書くことも大切でしょうが、やはり手話を使うことによって協力が得られるようになりました。手話人口が増えてきているのです。ほとんどの人は、自分の家族や親戚に聴覚障害者が全くいなくてボランティア精神に富んだ人たちです。
息子は、テレビを見ていてもわからないことがあると、盛んに聞いてきます。口話と手話を交えながら私も一生懸命説明します。ときには、うるさいこともありますが…。家族での会話は、なに不自由なく過ごしています。子供は息子ばかりですが、障害があろうがなかろうが一切差別はしませんでした。かわいそうだからと言ってプラスになることは一つもありません。叱るときは三人一緒です。子供同士遠慮はありません。お互い喧嘩をしながら良い悪いの判断ができる人に育ったのではないでしょうか。
現在は、名古屋聴覚障害をもつ親の会の役とか手話サークルをやっています。社会の理解が

 

 

 

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